ザ・漫才ブーム

テレ東のスペシャル。3時間、やすきよ漫才ブームの軌跡を追った番組でした。やー、おもろかった!やすきよっていま改めてみると…きよし師匠の方がキッツいなあ!ボケなんだろうけど、すっごいツッコんでるボケ。番組でも言ってたけど、きよし師匠がオチをつけて笑い取ると、それをやっさんがもう一回掬い取ってオチをかます。笑いを取っていく。コンビの間にも「おれのほうが笑いを取ってる、おれのほうがおもろいんや!」っていう激しいせめぎあいがあるんですねー。
B&Bもめっちゃおもしろかった。「もみじまんじゅー!」「オノダさーん!」とかお約束のネタなんだけどあのテンションで笑わされてしまう。ネタが終わった舞台裏で洋七が「息が続かへん…」ってまじ苦しそうだったのが印象的だったなあ。あのテンションを維持するための努力。やっぱ才能なんだろうなあ。
あと、ザ・ぼんちのおさむちゃん!舞台に上がったらどこへ行ってしまうか、どこへ帰ったらいいのか分からなくなってしまう、と本人も言っていましたが、あのキチガイじみたテンションの高さからあれだけのギャグを打ち下ろす、あれもある意味才能…鬼才ですわね。山本さんの「そぉお〜なんです」とかね、もう爆笑ですわ。
ところで、エンタの神様 http://www.ntv.co.jp/enta/ って番組知ってます?あれ、けっこう最近の芸人さんのコントやってくれるので見てたんですが、最近のテレビ特有の文字テロップとか、ちょっと分かりにくいなって物は写真出して説明したりっていう「編集の小細工」が多くってとてもいやになりました。そんなね、手取り足取り説明してもらわないとついて来れないような視聴者なんてね、無視しちゃっていいんですよ。邪魔なんですよ。芸を楽しむにはある程度の教養が必要なんです。教養がない人にはほんとは楽しめないものなんですよ。なのにそうやって敷居を低く低くしようとする。視聴者が硬いと言えば柔らかく煮てしまう。辛いといえば甘くしてしまう。それって芸人に対しても失礼ですよね。
現在は芸人とテレビの強弱関係が逆転してしまってるんですよね、この漫才ブームの頃と比べたら。おれらの芸が理解できないなら、ついて来れないなら、テレビなんか相手にしなくてもいい、というだけの強さがあった。でも今はテレビ側の力が強すぎる。テレビに出るためなら芸人はどこまでも迎合してしまう。でもその結果「エンタの神様」みたいに、芸の面白さはスポイルされてしまうんです。その結果、最近のテレビはつまらない、ってことになる。それって結局テレビのメリットにならないじゃないですか。
昔はよかった、じゃないですけど、今は小細工が多くなりすぎてる気がします。芸人そのもののパワーが、まるでテロリズムのように炸裂していた漫才ブームという時代。今こそこういう「演出されていないテロリズム」がテレビに必要な気がするんですよね。テレビ自体が視聴率ゲームという名のゲームをプレイするためのゲーム機になっちゃった。そしてそのゲームがもうつまらなくなりつつある。袋小路を突破するテロリズムをテレビに期待したいものです。