日曜の朝。

8時16分の特快で新宿。ワンデーストリートをでこでこ歩きながら都庁方面へ。歩きながら新聞を読む。毎週日曜、こうして朝日新聞の書評は私の体に取り込まれる。
今回気になった本。
星新一「殉教」(作品名…どの文庫に入ってるんだろ?)
ローリング・サンダー―メディスン・パワーの探究
大崎善生「九月の四分の一」
坪内祐三「一九七二」
「ローリング・サンダー」は細野晴臣氏がインスパイされた本として紹介していた。ネイティブ・アメリカンの教えが詰まった本らしい。「この世は自分が考えるほど重大ではなかった」とは氏の弁。私たちはただ勝手に、苦しみたいのかもしれない。幸せに慣れていないのだね。
坪内祐三の「一九七二」。自分の生まれた年がタイトルして冠された本で、まずそれにどきっとした。サブタイトルが”「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」”。
1972年を境に日本人は歴史意識を失った、と著者は言う。1972年を中心に両翼約30年。1972年は戦後のちょうど中間地点に位置するんだ。1972年。「戦後」であった1945年から1972年まで。「もはや戦後ではない」1972年から現在。戦争という共通の歴史意識を持って生きてきた人々と、「もはや戦後ではない(もはやなにもない)」時代を生きてきた私たち。なんだか自分の年を冠された本だけに、自分の在り様そのものを問われる感じがする本です。