ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟

見てきました。なぜか錦糸町で。錦糸町のOLINASという新しいショッピングモールの中のTOHOシネマズでした。
自分の中でウルトラシリーズ、特にウルトラ兄弟は深い思い入れがあります。子供の頃、一番好きだったウルトラシリーズウルトラマンAでした。ウルトラマンAエースキラーという敵に対してウルトラ兄弟がAに力を貸してともに戦いを挑みますが、エースキラーの罠に落ち、兄弟はあわや処刑となりかけます。最後はウルトラマンAが兄弟たちが残されたわずかな力を受け、「スペースQ」という必殺技でかろうじてエースキラーを倒すのでした。
その後もAではヒッポリト星人、ウルトラマンタロウではテンペラー星人、タイラントなどたびたび、宇宙人・怪獣とウルトラ兄弟の戦いが描かれる。今回の映画「ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟」では久しぶりにウルトラ兄弟モノの復活とあって、これは見に行かない訳にはいかない。
で、感想ですが。そもそもウルトラマンメビウスがM78星雲から派遣された宇宙警備隊のルーキーということもあり、その先輩格である兄弟たちが、凶悪宇宙人連合(ザラブ星人ガッツ星人・ナックル星人・テンペラー星人)と戦うメビウスを助ける、という展開。ところがそれは、ウルトラ兄弟をおびき出すための作戦で、神戸沖に封印された凶悪超獣Uキラーザウルスを解き放つため、ウルトラ兄弟を抹殺しようとした訳だ。その罠にはまり、ウルトラ兄弟は十字架にかけられてしまい、メビウスも敗れてしまう。凶悪宇宙人連合で唯一生き残ったナックル星人は、Uキラーザウルスの封印を解き放すが、ナックル星人はそれを操ることも出来ず一瞬で倒されされてしまう。凶悪超獣Uキラーザウルスを作り出したヤプール・・・ウルトラマンAの宿敵が、実際は凶悪宇宙人連合の思惑を利用して、その力をも取り込みより強くなって復活。駆けつけたゾフィーとウルトラマンタロウを含めたウルトラ6兄弟とともに、Uキラーザウルスを倒すのであった・・・
というのが、あらすじ。で、やっぱ見所はウルトラ兄弟・・・ウルトラマン、ウルトラセブン帰ってきたウルトラマンウルトラマンエースの役者さんがそのまま出ていることです。ハヤタ、モロボシ・ダン、郷秀樹、北斗星司がそろい踏みですよ!メビウスを救うためにまず北斗星司が先走るあたりも、兄弟間の関係が出ていてよい。あとハヤタがヒビキにアドバイスする場面などは、単にウルトラ兄弟という枠を超えてウルトラに関わった役者の先輩として、ウルトラの同士として、という側面も感じられてすごいよかった。いまちょうど「帰ってきたウルトラマン」を見返しているところなので、郷秀樹がおっさんになっても結構かっこいいなあというのも思ったところ。とにかくいいおっさんになったウルトラマンたちが最後の力で変身するシーンは感動の一言です。ウルトラに育てられ、ウルトラから大事なことを教わってきた諸氏は、そして子供がいればぜひ子供と一緒に見に行くべきです。
今回のテーマは「信じる力が勇気に変わる」ということ。自分の力を信じられなくなった時、希望を見失い、人は弱く、もろくなってしまう。でもあきらめずに戦うこと、勝つことを信じて戦うことが大事だと。おっさんになったウルトラ兄弟たちが、自分たちもかつて、自らの弱さから敵の罠に落ち、幾多の試練にまみれてきたことを、メビウスに伝えるシーンがとても印象的。それをずっと見てきたウルトラファンには、すごくその言葉が重く感じられる。
確かにウルトラマンは子供向けの番組だし、子供騙しと言ってしまえばそれまでだ。でも、子供の頃にウルトラマンに学んだことは、大人の心にも脈々と受け継がれ、残っている。それを大人にも掘り起こさせてくれる映画だと思う。そしてもちろん子供にも、あきらめないでがんばることをウルトラマンメビウスが教えてくれることだろう。
こういう番組を作り続けている円谷プロダクションをむそーは尊敬しています。最近また、いじめで子供が自殺したりという悲しいニュースが続いている。子供にとって非常に過酷な環境だし、なにより大人のモラルが崩壊している。誰も子供に対して手本を示さない、そんな間違った世の中になってしまっている。でも、こうした子供に強い影響を与えるヒーローが、子供に教えられることはある。こういうものを通じてでも、心の中に正義とは何か、本当の強さとは何かを語り続けている、円谷プロダクション、そしてウルトラマンが、永遠に続いていくことを願っています。