YO-KINGの息子さんのご冥福をお祈りします。

YO-KINGのサイトを見たらツアーキャンセルのお知らせ。「『春祭り三本勝負!』の公演に関しては、YO-KINGとスタッフで公演企画、内容等を相談した結果、この時期には相応しくないとの判断に至り、公演中止とさせていただくことになりました。」んんん???何事が起きたのだ???と思いサイトの奥を覗くと・・・YO-KINGの直筆でのメッセージが。「先日、私たちの息子が安らかな永い眠りに就きました。」と・・・
SIDS乳幼児突然死症候群であるらしいとのニュース報道。母親であるYUKIのショックもことさらであろう。SIDSについて詳しく知るためにググる。「それまで健康状態及び既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況および剖検によってもその原因が不詳である乳幼児に突然死をもたらす症候群」(KUBOTA MATERNITY CLINICより引用。)まさに突然死なんだ。なんの予兆も無く。こんなこと、あってはならんだろう。あってはならんけれども、亡くなってしまった。日本でも年間600人ほどの子供が突然死しているという。多くは1歳までに。1歳。短すぎる人生だ。YO-KINGの息子さんは1歳11ヶ月。もうすぐ2歳。これからどんどん大きくなって、世界を見て感じて成長して。なのに。
生きていればいいことも悪いこともある。幸せもあれば不幸もある。頭では分かっていても、悪いことに、不幸に襲われたとき、人は闇の中で未来を失う。生きていても仕方が無い。がんばれとか明けない夜は無いとか、ありきたりの励ましはしたくない。泣きたいときは泣けばいいし歩けないときには立ち止まり、座り込んだっていい。ただ、生きている者には生き続け、世界を見て感じて成長していく、自分を育てていく、世界を変えていく、その義務があると思う。だから死んではいけないんだ。もらった命は使い切らないといけない。
YO-KINGの息子さんは、残念ながら亡くなってしまった。彼はきっと命を使い切ったのだろう。たった1年11ヶ月だけれども、彼は彼なりに生きて、世界に何かを残したのだろう。間接的に私が彼の死から感じて考えていることも、その一つだし、彼の両親であるYO-KINGとYUKIにはもっとたくさんのものを残したはずだ。
生きている僕らはそれを受け取って生き続けなければならない。死者から何かを受け取り、そして自分が死に行くときにも、生者に何かを渡していくこと。生→死→生→死…生と死という仕組みが、何かを受け取り、何かを渡していくシステムの根幹になっている。そうして世界は出来上がっている。人は育っていく。
ただ今は悲しみで何も見えないのだとしたら。何も見えなくて歩き出せないのだとしたら。僕はYO-KINGと同じ世界、同じ時代、音楽の送り手と受け手として関係している。だから僕は彼のそばにいよう。君に生き続けて欲しいと思ってる人がいるんだよ。君を心配しているんだ。君は歌ったはずだ、いつか。「I Love you baby オレといっしょに年をとろうぜ」って。君といっしょに歩きたい。僕は君からたくさんのものをもらったから。だから今度は僕が君に返す番だと思う。闇の中で不安にならないように。座り込んでいるなら、僕も隣に座っていよう。黙って同じ景色を見よう。時間が経ち、世界が変わり、何かを感じて立ち上がりたくなるまで。