文化庁メディア芸術祭

アート部門で一番面白かったのは「OIO」(真ん中のIにはほんとはウムラウト付き)。Simon Goultという人の作品。絵の具をぶちまける。それを超高速度撮影する。スーパースローモーションで展開する絵の具の空中乱舞。その色彩とフォルムの美。はっきり言って気持ちいい。何時間でも見ていられるような気がする。これのDVDとか出たらまじで欲しいなー、と思った。アニメ部門では大賞の「マインド・ゲーム」がやっぱおもしろく見えた。やっぱりアニメーションは「動いてナンボ」である。動きがおもしろい、気持ちいいものはやっぱいい。ヌける。
マンガ部門ではこうの史代「夕凪の街 桜の国」がやっぱりよかった。戦後世代であるこうの史代、戦争を知り得ない世代が描いた、原爆の地ヒロシマの物語。生き延びてしまったこと、誰かに「死ねばいい」と思われ原子爆弾を落とされたこと、幸せになってはいけない、お前にはそんな資格は無い、お前は生きていてはいけない・・・ 助けてくれとうめく人々を何人も見殺しにしたこと、死体を踏んでただれた皮に足を滑らせたこと・・・ 想像を絶する苦しみ。消しても消えず、目を背けても押し迫る苦しみ。 悲しくて、切な過ぎる。人にはこんな地獄や罰が与えられてはいけないはずなのだと思う。
五十嵐大介の「魔女」の生原稿を拝めたことも感動でした。