すいか

第9回、よかったですわ、泣きました。いや正確には泣いてないけど泣きたかった。なんか基子の置かれてる状況っておれとそっくりな気がして。基子が泥舟で「親の敷いたレールを歩いてきたらこのザマよ、誰が責任取ってくれるのよ」と飲んだくれて毒づくシーンとか。はっ、どうしよう、おれのことだ!ってここから涙スイッチ入っちゃいました。家にはもう帰らないという基子に、母が独立記念の紅白饅頭を持たせ「あんたの言うとおりよ、ずっと一緒なんて無理よね」「親なんてつまんないわねー」っていうシーンとか。
親なんて、子なんて、これでいいんですよね。親離れ子離れってこういうことですよね。でも、これってなんかどこか、さびしいですよね。でも別れていかなくちゃいけない。
絆が姉の死と別れられないでいるのを象徴するかのように、猫の綱吉はいなくなる。綱吉がいなくなったことを、死んでしまっただろうことを受け入れられない絆。「でもそれって勝手だよね」絆は言う。
教授は言う。「墓は人間の偉大な発明よね」。忘れないために人は墓を作る。そして忘れるために、人は墓を作る。
ラスト、絆と基子がすいかの墓から出てきた芽をうれしそうに見つめるシーンがとてもよかった。生きていくことは怖い。一寸先は闇。けれども人は生きていかなくちゃならない。未来なんてどうなっているか分からない。だからただ、いま現在をしっかり生きて楽しみ切らなくちゃいけない。過去に引きずられ、いまをないがしろにして生きるものに未来はないのだ。いまを精一杯生きる。いまを楽しみ切って生きる。そういう生き方の向こうに、分からないけれど、確信は出来ないけれど、少なくとも自分の納得できる未来があるのじゃないだろうか。
いろいろと、ずいぶん素敵なことを教わったドラマでした。しかしなんで録画しておかなかったんだろう。DVDが出たらかなり欲しいかもしれないなぁ。