朝日新聞短歌
本日の朝日新聞歌壇より。
自分のブログで朝日新聞歌壇の論評はするつもりはありませんが(そんな立場にないです)一戸詩帆さんの買われっぷりはすごいですね。自分も好きです。あと、棚橋久子さんの歌がいいです。「捨て身のような寂しさ」って言葉、なかなか出るものじゃないと思う。
- ありがとうございましたと言いし夜ざああと音せり閉局のラジオ 豊橋市 藤沢あかり
- 十五夜の月は世界の丸きものたちの基準のごとく浮かべり 鴻巣市 一戸詩帆
- 平城山(ならやま)の志保子の歌を口ずさむ惚けし母のその仏顔 札幌市 伊藤元彦
- 遮断機の左右のバーの下りてきて震へをりしが遂に合はざる 水戸市 檜山佳与子
- 身のうえを問わず語らず昨夜(きぞ)逝きし隣のベッドは真平(まったいら)なり 市川市 山崎蓉子
- スーパーの美しすぎる大根の捨て身のような寂しさを買う 岐阜県 棚橋久子
- 苦しみのある世におりて苦しみのなき世にゆきし人をあわれむ 三原市 岡田独甫
- 豪酒なる父なき後の徳利は今夜満月芒穂を挿す 宮城県 須郷柏