朝日新聞歌壇

今週も朝日新聞歌壇より、面白いと感じた歌を。
私の今の知識とセンスによる選なのです。10年後に見たらまた違うのでしょうが、歌は過ぎ行く。

  • 浜風に雪の飛びゆく丘の上の枯れ草を食む蝦夷鹿の群れ 稚内市 藤林正則
  • 落鮎を食らいて満ちたる口ひげをゆらして渕に大鯰瞑る 四万十市 島村宣暢
  • 黒い髪・青い眼・白い肌の娘が青リンゴかじる夜の教室 浜松市 本目亜古
  • 何事もなかりし如くぬばたまの闇より猫のふっと戻り来 坂戸市 山崎波浪
  • 遺骨なき戦死者の墓にその妻が百歳まで生きて納骨せらる 三原市 岡田独甫
  • 背(せな)に乗る木の葉を象ははらわずに睦月の風に眸をほそめゐる 多摩市 手塚主馬