架空鉄道/架空都市

「スージーアンドポーリーごっこ」というのは江國香織の「流しのしたの骨」に出てくる子供たちがかつてしたとされている遊びだ。

積み木やブロック、ミニチュアの汽車、木製の小さな動物たち、拾った貝殻や石ころ、おはじき、ハンカチ、その他なんでも使って一つの町をつくるのだ。山も川も海も丘もある町で、町はずれには巨大な動物園があった。マッチ箱をならべてつくった商店街には、パン屋と本屋、喫茶店と駄菓子屋とスーパーマーケットが軒をつらねた。
「流しのしたの骨/江國香織」より引用

こういう遊びをした思い出、みんなもないでしょうか?むそーも子供の頃やっぱり積み木とか汽車とかを使って、畳のへりを線路や道路に見立てたりして架空の町をつくってその中を想像して遊んでいたな、と思い出しました。
で、なぜこういうことを思い出したかというと、最近「架空鉄道」という創作サイトのジャンル(というか鉄道趣味のジャンルだろうか)が多数あることを発見したからです。
むそーも多少鉄分(鉄道オタク成分の血中濃度)が高い人なので、いろいろ鉄道のことを検索しているうちに、架空鉄道という鉄道趣味の一ジャンルがあることを探り当てたんですね。要は、日本地図上(ないしは架空の土地)に自分なりの架空の鉄道路線を引き、そこにはどんな駅があってどんな列車があって、時刻表はこうで車両編成はこうで、現実のJRや私鉄と乗り入れが行われたりして…というのを架空の設定としてつくって公開しているサイトなんです。まあ、架空鉄道の人それぞれの趣味に寄って、設定の濃さとかサイトの精密さとかは異なりますけど。
以前からむそーは地図とか鉄道路線図を見るのが好きで。ついつい、あちこちの架空鉄道のサイトの路線図を見て楽しみました。一番楽しかったのがこれかな?自分の地元である茨城県の西部の鉄道空白地帯を埋めるように敷設された常総急行。何本もの路線が自分の知っている土地を走っていて連絡して、さらには都営三田線東急目黒線にも乗り入れているという設定。路線を追っかけて行くだけでなかなか楽しいです。
もう一つのお気に入りが鎌倉急行鉄道。ここはサイトのデザインがよく出来ている。ほんとにありそうなデザインだもんね。でももちろん架空の鉄道です。鎌倉急行鉄道は品川から鎌倉、箱根、伊東、そして川崎からは国分寺へと伸びる路線。「京急を箱根まで延伸+伊豆急行+JR南武線(でも国分寺)」って感じでしょうか。サイトのコンセプトもほんと、現実の鉄道会社の形態模写というか、自分の鉄道にこういうフリーきっぷがあってこういうサービスがあって…ってのを楽しんで作ってる感じだなあと思います。
いままで2つ紹介したのは現実の地図上に架空の鉄道をつくったパターンですが、それが発展して架空の都市(てか島?)をつくったというのがこちらのImarginary Cities -創作都市-というサイト。本州の北につながる架空の島にある駈戸市という架空の都市の都市交通局というスタンスで作っていますが、架空の都市の地図を見るだけでなんだかわくわくしてしまう。この方のサイトも、要は「架空の交通インフラを作りたい」というところから始まってるんですが、そこからもっと踏み込んで架空の都市の設定…歴史とか産業とか観光とか…そういったものまで創作しているのがすごいなと思いました。
いや、なかなかこの「架空鉄道/架空都市」という趣味、ツボにはまりました。これからもいろいろ探してみよっと。