揮発油税、暫定税率問題。

福田首相揮発油税に対する暫定税率問題を環境問題や地方の問題とすり替えるのは止めた方がいい。そもそも30年以上暫定税率の名の下に道路に対して特定財源が確保されてきたことが異常なのだ。ねじれ国会はこの問題を浮き彫りにしたことで意味がある。民主党は引いてはいけない。うやむやに暫定税率を復活させてしまえば、事なかれ的に道路特定財源も続いていく。
構造としては年金と同じだ。年金も社会保険庁としては「特定財源」なのだ。特定的に使用できる財源が、安定的に確保される状態になれば、その財源の使途は自由になる訳だし、マッサージ機だの団体旅行だのに使われる訳だ。福田首相は財政に対する責任を持たなければというが、財源に責任を持つというのは分かるが、それをどのように分配するかは再考されるべきだ。時代は高度成長期の、道路整備需要が大量にあった時代とは違うのだ。時代に合った財政の構築、税の再分配ができなければ、何のための政治か。税という形で公平に金を集め、利害にとらわれず、必要なところを見極め税の再分配を行うのが政治の仕事だ。税の使い道を国が誤れば滅ぶのだ。
逆に言えばその世論の流れこそがねじれ国会を生み出したのだし、これを契機として時代遅れになった利権政治にもとづく税の再分配から脱却する後好機ではないか。道路特定財源一般財源化は道路族など特定の権益と結びつく族議員から財源を取り上げ、再分配をする契機だ。しかしそもそも揮発油税にだけ暫定税率を課すなどという、曖昧な状態を踏襲するのではなく、暫定税率分を税収として確保したいなら、再度税率を上積みする意味を国民に説明し、国民に問い直す必要があるだろう。