新しい家庭の作り方

最近週末ごとに奥さんの体調が悪い。具体的に言えば頭痛で寝込むことが多い。

辛いのは本人である。分かっているけれど、寝込んでいる奥さんを置いて出かけることもできないし、食事の支度もしなければならない。ちょっとしんどい。

割り切って昨日は自分の食べたいものを作った。料理は長年やっていたから慣れている。鶏のから揚げを作った。うまくできたと思う。奥さんにも娘にも、美味しいと言ってもらえた。今回は小麦粉に少し片栗粉を混ぜて、また低温でじっくり揚げた後に、油の温度を上げて二度揚げをした。それでいつもよりカラッと揚がったと思う。

自分の好きな料理を作ってそれで気が済めばいいが、そんなかんたんなことでもない。辛いのは本人。分かっているけれども釈然としない気持ちを紛らわすために、酒を飲みながらオリンピックのジャンプ競技を見ていた。

結婚してから、ありきたりだけれど他人と暮らす難しさを感じている。例えば慣れている料理でも、自分ひとりのために作るのと、人に食べさせるものを作るのとでは違う。部屋の汚れについても、汚いな、ホコリがたまってるなと思っても、一人暮らしのとき、自分もそこまでマメに掃除していたか?と自問すると、目くじら立てるほどでもないかと思ったりする。

でももう少しマメに掃除をしてくれるよう要求してもいいような気がするんだが、自分にそこまでの権利、他人の生活の感覚を捻じ曲げる権利があるんだろうか?と感じる。大げさだろうか?みんな異なる生活感覚の中で暮らしてきた人と、そこはどのようにすり合わせて「新しい家庭」を作っていくんだろうか。

いろんな不満はあるが、家に帰って奥さんがいてくれて、疲れた時に抱きついて疲れを吸い取ってもらえること、これだけで幸福なんだと、結局は思えてしまう。こんなことでいいのだろうか、よく分からない。