朝日新聞歌壇
久しぶりに。今日の朝日新聞歌壇から面白い短歌を抜き出して載せていきます。
- 尾に触るれど動くことなき冬蜥蜴葬らむとすれば草をつかめり(香川県・藪内眞由美)
- だんだんとおとなしくなる身の内の鬼に向かひて少し豆撒く(前橋市・萩原葉月)
- 伝えたいそれだけなのに言葉って足らなかったり余計すぎたり(八代市・木場尚子)
- 六年目原乳出荷許されし牛飼いの目の奥にある奥(福島市・美原凍子)
- 頑張れの母の言葉に泣きし日の電話ボックス消えてしまえり(東京都・影山博)
- 体験で祭壇のまへ柩に入るのぞき見る顔の近きにひるむ(清瀬市・四竈宇羅子)
- 亡き夫に「吾輩は猫」朗読すお経読むのは性に似合はず(高槻市・峯村洋子)
- 吾よりも少しの長生き願いいし妻を見送り七年が経つ(佐伯市・玉野井隆幸)
- 置き物は真夜中にだけ猫になる猫はしばしば置き物になる(厚木市・北村純一)
- 死が背中から君の肉体に入るその朝は雪手のひらの雪(滋賀県・川並二三子)
なんだか死にまつわる歌を多く選んだように思う。なんでだろうか。