夏色キセキ=木更津キャッツアイ説
夏色キセキを見ている。
2012年のアニメだが、いまTOKYO MXで再放送しているのだ。
これ、本放送のときはノーマークで見逃してて、でもいま再放送で見ていて、なんてすばらしいアニメなんだと思っている。
夏色キセキは、静岡県・下田に住む仲良し4人の女子中学生たちのひと夏の思い出づくりを描いた物語だ。
sphereの4人の人物とその関係性をモデルにしていることも奏功しているのだと思うが、とにかく4人の主人公たちのキャラクターが立っている。記号でない、ちゃんと人間らしく、ちゃんと等身大の中学生らしく描かれていて好感がもてる。お話の都合で大人にしたり子供にしたりしない、一本スジが通ったキャラクターデザインの思想が感じられてすばらしい。
この物語のキーになっているのが、この夏が4人で過ごす最後の夏休みだということ。仲良し4人のうち1人、紗季が親の仕事の都合で2学期からは転校するのだ。
4人での最後の夏休み。それを最高のものにするためにめいっぱい楽しむ4人。でもそんな最高の時間、また過ごしたいね、と思うたびに、紗季が転校していなくなることを思い出して気まずい雰囲気になる…。
この雰囲気、前にもどこかで感じたことがある。そう思った。なんだったかな。
そうだ、「木更津キャッツアイ」だ。
このドラマのキーになっていたのが、主人公ぶっさんの「ガンで余命半年」という設定である。
木更津キャッツアイとしてやんちゃな危ないことをやったり草野球をやっては、マスターの店でビールをあおる日々。こんな時間がいつまでも続けばいいのに、と思うたびに、ぶっさん以外の4人の頭によぎる「ガンで余命半年」。
叶わない永遠を願う。楽しい時間は永遠に続かないから、いまこの瞬間が奇跡なんだということ。
手垢のついたテーマだが、よく作りこまれたキャラクターによって本当にこの奇跡というのが美しくきらめく。
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