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アステロイド・マイナーズ 1

秋葉原にCDを返しに行ったついでにとらのあなで漫画を買いました。

アステロイド・マイナーズ 1 (リュウコミックス)

アステロイド・マイナーズ 1 (リュウコミックス)

あさりよしとお。まさに「まんがサイエンス」のあさりよしとおの手によるサイエンスノンフィクション・リアル宇宙生活マンガです。
Mission02「軌道上演習」から。

研修で習ったでしょ
地球から軌道に上ってくるのは… 重い荷物を背負って重力の坂道を登って来るようなものだって
月へ行くことはせっかく登り切った坂をまた降りて 別の穴へはまり込むって事なのよ とんでもない無駄遣いだわ

なるほど膝ポンです。重力を穴というか窪地と見立てれば、地球という窪地から荷物を背負って坂をえいこら上がって軌道に上がる。しかも起動に上がったからといって地球の重力は消えるわけではない。より高い軌道に上ろうと思えば、より長く坂を上らなければならない。つまり余計にエネルギーがいるため、より同じエネルギーではより少ないものしか打ち上げられない(少ないものしか背負えない)。せっかくエネルギーを使って軌道を上ってきたのに、月の重力の窪地へ降りてしまったら、エネルギーがもったいない!というわけだ。
月面の有人基地や火星有人探査なんていうと、宇宙ロマンを感じないではない話だが、エネルギーの視点から見ればなんという無駄遣い、なわけだ。そうすると今後小惑星探査や木星土星や太陽系外の探査については、ISSのような軌道上構造物にいったん部品を上げて組み立てて出発するという形がエネルギーロスが少ない、という考え方になるんだろうな。
月や火星という分かりやすい目印には重力という(まさに)落とし穴がある、というお話。
Mission03「ゆうれいシリンダー」から。

人間は日々さまざまなものを排泄する
食べ残しもそのひとつだこれを一方通行ですませてたらあっという間に破綻してしまう
閉じた環境の中でこれをもう一度人間の口の中に入るように循環させるシステムを作らないと
この小惑星で生き続けていく事はできない
地球ではばく大な土壌や水にたよっているシステムを
小惑星では居住区に数倍する浄化槽(シリンダー)で代用しているんだ

宇宙と地球は違う、というとき私たちは重力がない、空気がない、と端的に思いつくが、むしろ土や水がないということが大きいという話。水と土が無い宇宙では何一つ循環せず、排泄物、ゴミすべてそのまま堆積してしまう。私たちが地球で破綻せず生活できるのは、土と水による排泄物、ゴミの循環があるからなのだ。それが自然に成り立っている地球すげえ、という話だ。もっともそれも人間の増加により破綻しつつあるのが現在の地球だ。
地球なしで人間が生活しようというとき、人間は重力も空気も水も土も、そして地球の循環システムそのものも自分で作らなければならない。宇宙に住むとはこういうことなのだ、と。
宇宙…それは人類最後のフロンティア、なんていうけど開拓はいつだって辛く厳しいんだね。