朝日新聞歌壇

6/14の歌壇から。

  • 春うらら何かをぶち壊したくてラメ入りアイシャドー引いてみる 横浜市 紅 征
  • 死者あれば葬花の売るる吾が業に疲れし時は海猫(ごめ)を見に行く 八戸市 山村陽一
  • しじゅうからちぴぴちぴぴとこいのうたうたえばにわかにかきのはなちる 東村山市 矢部仁美
  • 若草物語」借りた帰りに月を見たお屋根の上に大きな満月 横浜市 高橋理沙子
  • 灯りなき三越の前ライオンの鼻と足とが光りておりぬ 東京都 元井秀勝
  • 自分では何色なのかわからないカメレオン死んでほんとうの色 新潟市 太田千鶴子
  • 薬局は在庫なきこと顎で言うインフルエンザのマスク品切れ 奈良市 立花博子

今日は歌壇から拾った歌が少なかったので、俳壇も。

  • あめんぼう飛行機雲を跳び越しぬ 高萩市 小林紀彦
  • 大空につかまるところある雲雀 渋川市 山本素竹
  • 紫陽花の色より風の晴れてきし 立川市 越智麦州
  • 我が命百足殺して見てをりぬ いわき市 馬目 空
  • 旅妻の海市に燥(さわ)ぐ電話かな 岐阜県 加川喜泉
  • 登りゆく少年朴の花になる 大阪市 田淵勲彦
  • 大蜘蛛の降下の速さ恐ろしき 札幌市 岩瀬公宏