日本には宗教という概念が無かった

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

島田裕巳の「日本の10大新宗教幻冬舎新書です。宗教とか信仰とか、やはり興味があるんですよね。宗教に入りたい!ということではなくて、宗教ってなんだろう、信仰する人たちは何を思っているんだろう、ということがね。なので、この日本の新宗教を概観する本を手にとってみたわけ。
トピックタイトルにもしたけれど、日本に「宗教」という概念が導入されたのは明治以降なんです。日本人の宗教って独特のもので、神道と仏教が一体となっていたものだから、明治になって神道と仏教が峻別されて(神仏分離)、初めて日本人は土地の神ではなく、体系化された宗教という概念に出会ったのである。私たちが「自分は無宗教」というとき、ほんとうは無宗教ではなく意思的な信仰を持たないという意味を指していると思う。それは神仏分離によって私たちが、体系化された概念としての「宗教」へおさまることが出来ず、行き場を無くした「無宗教」なのだろう。
ゆえにこそ、日本人にとって「意思的に信仰する体系化された宗教」の信者というのは異質な存在であり、自分を無宗教とカテゴライズすることが自然と思えるのだろう。自分にも意思的に信仰する宗教は無いが、宗教を信じる人たちとはどんな人たちなのか、そして自分はなぜ無宗教でいられるのか、新宗教とはどんなもので、私とそれらの信者の人たちはどの程度違うのかを知りたいと思います。