自分の人生は自分のもの

「自分の人生は自分のもの」って、自分の人生は自分のものだってことなんですよね(何を当たり前のことをw)。むそーは今まで自分の人生をどうでもいいものとして扱ってきた。ずーっと前のトピックで書いたかもしれないけど、誰かが「あなたの人生、あなたのものじゃないですから。回収しにきましたから」と言って、おれのものを全部持ち去られたとしても「ああ、そうか。じゃあしょうがないな」と受け止めてしまえるくらいに、自分の人生を自分のものだと思ってこなかった。
むそーは子供のころからいじめられっ子で、自分の行動、時間、お金を他人に搾取されることに慣れっこになっていた。本当はすごい嫌だったけど、やせっぽちでチビで、そのくせ反抗心と正義感だけはいっちょまえにあって、でもケンカ一つまともにできないおれは、体のいいいじめの対象になった。嫌だけど逆らえないまま、でも自分自身を保つためにおれは、バカのふりをして生きることにした。そして自分の人生を放棄した。バカのふりをして、自分の人生を捨ててしまわなければ、自分の行動、時間、お金を搾取されることに耐えきれなかった。
それが33になった今でも、やっぱり怖かった。自分の人生は自分のもの。当たり前のことだし、自分の生きたいように生きればいいんだけれど、でも、自分のものだと思った瞬間、また誰かがおれの人生を搾取するんじゃないか?結局「あなたのものじゃないですから」と言われて、自分のものだと思った人生を奪われてしまうなら、自分の人生をどうでもいいと思っていた方が、全然安心できた。「どうせ奪われるかもしれないなら、最初から自分のものだなんて思わない方がいい…」そうやって20年くらいずっと生きてきた。もちろん自分のやりたいこともある程度やってきたし、大学行かせてもらったのも、東京で一人暮らしさせてもらってるのも、自分の意志と親の多大な援助のおかげだ。感謝してるけど、でも根っこのところで「自分の人生は自分のもの」とは、やっぱり思えなかった。
あと4日で、むそーは34になる。自分にとって33歳という1年間はすごい重要なターニングポイントだったな、と思う。この1年で得たもの、学んだこと、見つけたこと…自分は何から逃げようとしていたのか?それを改めて確かめようと思えた。逃げたい自分から目をそらさずに直視しようという気持ちになれたのは、この1年で得ることが出来たものの力によるところが大きい。
7/15,16,17の3連休で実家に帰った。おれはおれがいじめられていた中学校へ、久しぶりに行ってみた。先輩に呼び出された部室とか、カツアゲされた廊下だとか、閉じ込められた便所だとか、いつも人を乗せて帰っていた自転車を止めてた駐輪場だとか…それから、おれをいじめてたヤツの近くの商店(コーヒー買ってこいってパシリさせられてたよ)とか、金を渡すのによく呼び出された神社とかも行った。そこここに、中学生のおれが立ち尽くしたままだったような気がした。昔のおれがそこに立ち尽くしていて、どこにも行けずにいるようだった。
33歳になった今でも、おれは13歳という時間から太い鎖で縛られて、身動きができなくなっているような気がした。おれを縛っている太い鎖のことを、ほんとうはおれはずっと知っていた。ただ、その鎖をたぐって、鎖の根っこを解くことがずっと怖かった。太い鎖の根っこのところを見るのが怖かったのだ。だけどこの1年で、おれはいろいろなものを得た。その力でほんとうに、自分の人生を自分のものにしようという気持ち、自分の人生を放棄してしまった13歳の自分を直視する気持ちになれた。
いまおれは、いろんなことを考えている。自分が本当にやりたい仕事へ転職することとか、自分のお金をどうやって増やして老後に備えようとか、保険はどんなのに入ったらいいんだろうとか、自分の人生を、自分の行動とお金と時間をどう制御するかを、初めてちゃんと考えている。こんなことは今まではどうでもよかったのだ。その日暮らしできて、酒と友達がいて、寂しいときに電話できる人が携帯のアドレス帳に入っていて、そうやって、自分の行動とお金と時間を、その場その場つなぎながら生きていければそれでいいと思っていた。でも「自分には何も無い」というとてつもない絶望に唐突に襲われて、一人部屋で泣く日が何度もあった。そんな思いはもうしたくない、そう思っている。楽しくて実りある人生を送りたい、死ぬときに自分の人生を振り返って「悪くない人生だった」と思えるように、やれることはやりたい、きちんと自分の人生を自分のものにしたい、そう思っている。
おれはほんとうは、いろんな人に愛されていた。おれのことを思いやって差し伸べてくれた手を何度も振り払って、拒絶して勝手に絶望して…ひどいことをしたと思っている。今まで自分を愛してくれた人、今も愛してくれている人に、最大限の感謝の言葉を言いたい。ほんとうにありがとうございます。むそーはちゃんと、これからちゃんと生きていこうと思います。
書きながら、こんな恥ずかしいトピックをあげるかどうか迷ったけど、この場所はおれの人生のログでもあるので、全部あげてしまいます。