リトル・フォレスト/五十嵐大介
むそーにとっては「はなしっぱなし」以来、はずれなしの五十嵐大介の本です。
リトル・フォレスト(1) (ワイドKCアフタヌーン (551))
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/23
- メディア: コミック
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小森という東北のとある村のなかの小さな集落。都会から帰ってきた(逃げてきた)いち子はそこで農業やアルバイトをしながら暮らし始める。その小森での生活をつづったのがこの「リトル・フォレスト」だ。
というか読んでいて、すごくためになる。自然の恵みを生かした料理がいっぱい出てくるし、どれもおいしそう!自家製のウスターソースや、小麦粉と水を練ってつくるひっつみや。あまざけ、ばっけみそ、ウドとミントのフリット…フライドエッグ…クレソンをバゲットにはさんだサンドイッチ。くるみごはん。
なんかこれを読んでると、食べるってことはとても重要だなあと思う。毎日食べるものを手間をかけてきちんと作るってこと。もちろん素材である野菜や肉などもそうだ。みんな手間ひまかけて作られている。どっかの工場でポコポコ量産されたものがスーパーに並んでいるわけではないのだ。なんというか…どこで、どんな環境で、どんな人たちが、どんな思いで、手間ひまをかけて作ったかを知らずに、食べ物を食べるのはむなしいな、と思う。作中のユウ太という青年の言葉。
「自分自身の体でさ 実際にやった事と その中で自分が感じた事考えた事 自分の責任で話せる事ってそれだけだろう? そういうことをたくさん持ってる人を尊敬するだろ 信用もする 何もしたことがないくせになんでも知ってるつもりで 他人が作ったものを右から左に移してるだけの人間ほどいばってる 薄っぺらな人間のカラッポな人間の言葉を聞かされるのにうんざりした」
「オレはさ 他人に殺させといて殺し方に文句つけるような そんな人生送るのはやだなって思ったんだよね」
うん、普通に重い言葉です。でも当たり前の重さでもあるな、とも思います。