新書2冊購入。

最近はフィクションよりもノンフィクションを読む事が多いむそーさんです。フィクションってやっぱ評価が難しいです。ノンフィクションなら自分の知識が増えたという評価が得られますけど。最近自分でも小説書いてないですしねえ。なんだかフィクション離れが激しい昨今です。
で、購入したのは。

「民族浄化」を裁く―旧ユーゴ戦犯法廷の現場から (岩波新書 新赤版 (973))

「民族浄化」を裁く―旧ユーゴ戦犯法廷の現場から (岩波新書 新赤版 (973))

かたや旧ユーゴ紛争もの、かたや比較惑星学もの。ジャンルが幅広いなあ、自分。
「松井教授の〜」の方だけ、さっき焼き鳥屋で日本酒飲みながら読んできました。「「民族浄化」〜」の方はまだ手つかず。
「「民族浄化」〜」の方は、以前「ノー・マンズ・ランド」という映画で、旧ユーゴ紛争時ボスニアにて行われた虐殺=民族浄化について触れたので、知っておきたいなと思ったので。著者の多谷千香子氏は日本人の国際刑事裁判の判事の方でらして、その立場から今回の本を著したとの事。まさしく民族浄化を裁く側から書かれた旧ユーゴ紛争の犯罪が克明に描かれている事と思う。
「松井教授の〜」の方は、アストロバイオロジーという学問についての本である。物理学や化学は太陽系レベル、銀河系レベルにおいても同一の法則、理論によって普遍化されているが、生物学はまだ地球生物に関しての限定的な学問にとどまっている。しかし、最近地球環境の中でもひどく劣悪な環境でも生物が存在している事が分かり、地球以外の惑星にも生物が存在する可能性が高まってきた。そこで生物学も太陽系レベル、銀河系レベルにおいて普遍化できる学問として成立しうるか、どこまで普遍的でどこまで特異的かといった議論をしていこうというのがアストロバイオロジーの課題であるらしい。また当然、地球という生物圏に誕生した我々人間の文明というものも、宇宙に対してどこまで普遍的なものであるのかという思考も含まれていく。なかなか刺激的な話題だなあ、と思う。
つまり地球の生物学、そして人類学、文明そういったものでどこまで宇宙の物事を推し量れるのか。物理学や化学、天文学などはすでに宇宙レベルで普遍的な学問であることを、過去数世紀に渡って立証してきている。そして生物学、人類学はこれからなのだ。つまり私たちの文明は、宇宙に対する理解を更に一歩進めた事になる。宇宙の組成、理論は見つけた。今度は宇宙という「環境」に存在する「生命」が、私たちの研究や理論で普遍化できるのか。新しい時代を切り開く学問だし、新たなステージを見渡す時の興奮を感じるテーマでもある。読みながら日本酒もはかどるというものだ(違)。